①合格に特化した学習
大学の受験方式によっては、2級に合格すると英語の試験が免除され、英語の勉強が不要になることがあります。また、合格していなくても、一定のスコアを満たせば優遇措置を受けられる大学や取得時期に制限を設けている大学があるのはご存知でしたか。検定の取得時期(有効期間)、出願資格、得点換算、試験免除、合否に関わらずスコアを使用できるかどうかなど、志望大学がどのような優遇措置を用意しているかを知っておかなければ、適切な対策をすることはできません。必ずこれらの情報を調べましょう。
2級合格に特化した学習の場合、大学の求めるスコアを取ることが最も重要です。2級は高校3年間の範囲ですが、すべての語彙や文法を完璧にする必要はなく、大学の求めるスコアを取れれば問題ありません。検定の試験形式にフォーカスした勉強をして、学習効率を高めましょう。合格後は英語の勉強時間を他の教科に充てて、次のステップに進みましょう。
検定に特化した学習をすれば、高校内容を習得せずに、2級は合格することは可能です。しかし、その後も模試や準1級のために英語学習が必要な方は、焦らず高校内容(2級)から復習し直しましょう。
模試や準1級の試験では、2級の内容が出題されます。例えば、準1級の試験では、2級の難しい語彙が簡単な長文問題に出ます。また、難関大学の試験のような読みにくい文も出ます。
2級合格後も英語学習が必要な人が、合格に特化した学習をすると、その後、基礎力不足で模試の点数が伸びなかったり、準1級に合格するまで時間がかかる可能性が高くなります。その結果、英語学習に対するモチベーションが下がります。
そうならないようにするためには、2級合格の前後で徹底的な高校内容の反復が必要です。語彙、文法、リスニングなど、合格後でも2級を受けたら高スコアをとれるくらい復習しましょう。高校(2級)レベルの単語帳や文法問題集を繰り返し解くことをおすすめします。最近ではリスニングの重要性が高まっています。発音記号を覚えた人は、シャドーイングもおすすめです。このように学習を進めることで、高校の小テストや定期テストの勉強時間を短縮できるメリットもあります。
「こんなにたくさんうちの子にはできるかな…」「あの子は優秀だからできるんだろうな…」と思うかもしれませんが、最初は1日30分からでも十分です。反復学習により日々の負担が軽減され、新しい課題に取り組む余裕が生まれ、勉強の体力も向上していきます。
実は、上記の生徒さんにはもっと課題を出しています。難関大学対策の文法問題集や共通テストの模試、さらには準1級の過去問にも取り組まれています。それらに加えて部活動や趣味、学校行事にも真剣です。
忙しくても毎日継続することが大切です。日々の反復学習で、2級の内容も克服し、自信を持って英語学習に取り組めるようになっているはずです。気付けば、本来の勉強の仕方を理解し、高校でも英語が得意科目になっているかもしれません。